橙過去


その日は雨が降っていた、、、、、。




山道には2本の尾をもつ黒猫がゴミクズのように横たわっていた。
不吉な黒猫は人々から忌み嫌われていた。
ましてや、2本の尾を持つ猫、、、、、
人間の世界で安息を望めるはずがなかった、、、、
「雨、、、冷たいな、、、雨は、、水は嫌いだ、、、、、」
「もぉ、このまま死んでしまうの?、、、」
雨はシトシトと降りつづける、、、、、、。

黒猫は己の上に降り注ぐ雨が止んだ気がした、、、。
動かぬ体、、、、目線だけを己が上に向ける、、、。
「・・・傘?」 
更に視線を動かす・・・
「綺麗な人、、、?」
そこには金色の九つの尻尾をもつ女がいた、、、。
「、、、凶兆の黒猫とはめずらしいな。」
「、、、供にくるか?」
己と同じく、人でもなく畜生でもない存在だったから?必要とされたから?
それとも、優しい瞳をしてたから?
なぜそうしたか理由はわからない、ただ、動かぬ体に最後の力をこめ、極わずかに頷いた。

「・・・はぃ、、、。」

注:傘より先に藍さまが目に入るんじゃ?っていう突っ込みはなしで頼みます(汁
絵は気が向いたら描くかも・・・

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